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病

著 正岡子規

大連湾からの帰りの船で始まった病を振り返る。

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原文の言語:日本語レベル:中級3,593 字 · ≈ 14 分出典:青空文库

冒頭

○明治廿八年五月大連湾より帰りの船の中で、何だか労れたようであったから下等室で寝て居たらば、鱶が居る、早く来いと我名を呼ぶ者があるので、はね起きて急ぎ甲板へ上った。甲板に上り著くと同時に痰が出たから船端の水の流れて居る処へ何心なく吐くと痰ではなかった、血であった。それに驚いて、鱶を一目見るや否や梯子を下りて来て、自分の行李から用意の薬を取り出し、それを袋のままで着て居る外套のカクシへ押し込んで、そうして自分の座に帰って静かに寝て居た。自分の座というのは自分が足を伸ばして寝るだけの広さで、同業の新聞記者が十一人頭を並べて居る。自分らの頭の上は仮の桟敷で、そこには大尉以下の人が二、三十人、いつも大…

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この本について

帰りの船内で血を吐く場面から始まり、低い天井の雑居部屋で一人薬をのみ、退屈と心配を抱えながら日本の到着を待つさまを描く。淡々とした具体的な筆致で、抑えられた苦しみの実感が伝わってくる。

作者について

正岡子規(1867年10月14日-1902年9月19日)は、本名を正岡升とする明治期日本の詩人・作家・文学評論家である。短い生涯に約2万句を詠んだ近代俳句の重要な存在とされ、短歌の改革についても著し、松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶と並ぶ俳句四大家の一人に数えられることもある。

注釈の作り方

逐語注釈と全文訳は AI モデル(DeepSeek、智譜 GLM)が文脈に合わせて生成し、すべての語に注釈があるか自動で確認しています。AI は誤ることがあります。問題は本のページから報告できます。

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