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蜃気楼

著 芥川龍之介

秋の午頃、大学生のK君と鵠沼の海岸へ蜃気楼を見に行く。

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原文の言語:日本語レベル:上級3,572 字 · ≈ 14 分出典:青空文库

冒頭

一

或秋の午頃、僕は東京から遊びに来た大学生のK君と一しょに蜃気楼を見に出かけて行った。鵠沼の海岸に蜃気楼の見えることは誰でももう知っているであろう。現に僕の家の女中などは逆まに舟の映ったのを見、「この間の新聞に出ていた写真とそっくりですよ。」などと感心していた。

僕等は東家の横を曲り、次手にO君も誘うことにした。不相変赤シャツを着たO君は午飯の支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端にせっせとポンプを動かしていた。僕は秦皮樹のステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。

「そっちから上って下さい。――やあ、君も来ていたのか?」…

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この本について

「蜃気楼」は芥川龍之介の短編小説で、1927年3月に『婦人公論』に初出し、副題は「或は『続海のほとり』」。秋日の午後、「僕」が大学生のK君と鵠沼海岸へ海市蜃楼を見に行く話で、私小説的な雰囲気が色濃い作品である。ごく短い掌編ながら評論の数は多く、三島由紀夫もこの作品を「不思議と」好む人が多いと記している。

作者について

芥川龍之介(1892年3月1日-1927年7月24日)は、澄江堂主人の号でも知られる大正期の日本の作家で、「日本短編小説の父」とされている。35歳でバルビタールの過量服用により自殺し、日本の主要な文学賞である芥川賞は彼の名前にちなんでいる。

紹介文は Wikipedia の記事をもとに AI で作成:蜃気楼 (小説) (CC BY-SA)

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